「・・・黒子っちー」
夏休みも中盤、全中も難なく優勝。
その間にあった青峰の問題も何とかなった。
つかの間の休息、黄瀬の心境はそんなところだった。
青峰の問題を解消したときに分かった自分の目的。
あと一年待たなければいけない。
辛いけれど、今の状態のこの帝光ならば。
と黄瀬は思っていた。
「黒子っちー、」
「なんですか?」
練習試合に行くためのバスの中。
隣で本を読む黒子に声をかけた。
「・・・酔わないんスか」
こんな大型バスに乗っていれば普通細かな字を読むと酔う。
「ボク案外強いんですよ」
「へぇ。」
意外だ、とも言いたげである。
「どんな話なんスか?」
彼が持っている文庫本に目を移す。
「ある一人の少年が、過去へ戻る話ですよ」
「・・・え?」
嬉しそうな話をするかのように、黒子は顔を上げる。
この作者の心理描写が好きなんです、と彼は付け足した。
「逆行、っスか」
「えぇまぁ、そうですね。」
「主人公はなんでもどったんスか?」
「ある、目的を果たしに。」
そこから彼が話してくれた小説の内容は不思議にも自分たちと似ているな、と黄瀬はおもった。
ある目的のために過去の世界に戻った主人公。
元の世界に戻るためには目的を成し遂げることが絶対条件だと夢を見る。
なんとか戻りたい彼は苦悩しつつも目的を遂げる。
「それで、成し遂げた主人公はどうなったんスか?」
「目的を成し遂げた世界の居心地のよさに戸惑っています。
まぁ選択を強いられるいるんですね。」
「え・・・?せん、たく?」
心臓をガッとつかまられる感覚を黄瀬は覚えた。
「もどりたかったんじゃないんスか・・・?」
「えぇ、でも自分で作り変えた世界はすごく心地いいと思いますよ。
まだ最後まで読んでないのでどうなるか分かりませんが」
「そう、なんスか。」
歯切れの悪い返事をして、説明の礼をいって会場に着いたら起こしてくれと目を瞑った。
黄瀬はおもう。
自分は目的を達成したわけじゃない。
やらないといけないことをしただけだ。
だけど、この世界は心地いい、と。
帰りたい、とは思う。
だけど前ほどここが苦痛ではない。
そう思う自分がいたのだ。
『どうなるか分かりませんが』
黒子の最後の言葉を繰り返す。
主人公はどうするのだろう、・・・自分だったら?
「(分からない・・・緑間っち、助けて)」
ジャージをかぶって顔を隠す。
ドクドクとうるさい心臓。
理解できない黒いもやが黄瀬に広がりを見せた。
進んだ先は作り変えた世界っていうね!!!!お話をね!!!!!
入れるか分からないから!!!!!!さらしちゃいますよ!!!!!
いれるならもうちょいしっかりと・・・^q^
でも、黒子くんはこの話のキーパーソンなので。
彼にはもっと動いていただきます!!
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